メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

RSS

ロシアのウクライナ侵攻、国際社会の「言論」は決して無力ではない

「煽り」「冷笑」を選り分け、再確認したい「表現の自由」の本義

志田陽子 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

必要な「発言を選り分ける」作業

 公人・要人のSNS発信は日本国内だけでなく、海外からもウォッチされている。この軍事的緊張下で、こうしたことに無頓着な(元)公人や著名言論人が日本に多いことには憂慮を感じずにいられない。この危うさは、言葉や法を軽視・冷笑するマインドと同根・表裏のものに思える。

 この冷笑とセットになった軍備増強論が、SNSやネットメディア上で今後を占う重大発言のように取り上げられ拡散されていく様子を見ると、言葉は無力どころか、深刻な社会的伝搬力をもつことがわかる。

・・・ログインして読む
(残り:約4323文字/本文:約5773文字)


筆者

志田陽子

志田陽子(しだ・ようこ) 武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)

武蔵野美術大学 造形学部教授(憲法、芸術関連法)。早稲田大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得退学、博士(法学・論文博士・早稲田大学)。「表現の自由」、文化的衝突をめぐる憲法問題を研究課題としている。また、音楽ライブ&トーク「歌でつなぐ憲法の話」など、映画、音楽、美術から憲法を考えるステージ活動を行っている。 主著『「表現の自由」の明日へ』(大月書店2018年)、『合格水準 教職のための憲法』(法律文化社2017年)、『表現者のための憲法入門』(武蔵野美術大学出版局2015年)、『あたらしい表現活動と法』(武蔵野美術大学出版局2018年)、『映画で学ぶ憲法』(編著)(法律文化社2014年)、『文化戦争と憲法理論』(法律文化社2006年、博士論文)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

志田陽子の記事

もっと見る