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選択的夫婦別姓反対派はなぜ「世論調査」を読み誤るのか

世論は法改正に向け着々と進む。非論理的主張にかいまみえる反対派の焦り

井田奈穂 「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長

拡大日本記者クラブの会見で小池信行氏(壇上)に質問する椎谷哲夫氏(右)=YouTubeよりスクリーンショット撮影

 「戸籍が(法改正の)障害になることはありえない 」

 「世界の多くの国で選択的夫婦別姓が導入されているが、『夫婦別姓によって家族の絆が弱まった』『家族が崩壊した、不和が増えた』という評価は聞いたことがない 」

 2022年1月25日、日本記者クラブで小池信行弁護士による記者会見「選択的夫婦別姓 1996年答申の意義」が行われました。

 小池氏は法務省勤務時代、平成8(1996)年に選択的夫婦別姓制度導入の指針を示した法制審議会の要綱策定の幹事を務めた方です。1970年代から世界的な男女平等の動きに応じて答申に至った流れ、自民党議員によって法案の国会提出が阻まれた背景など、当時の様子を振り返る貴重な会見でした。

 実は小池氏は2020年2月14日にも、超党派勉強会において「個人の尊厳のためにも早期の法改正を」と講演し、法改正を悲願とされています。

拡大2020年2月14日超党派勉強会にて講演する小池信行氏

質疑応答で食い下がった反対派~回答を「公開質問状」に

 そんな小池氏の会見後の質疑応答で、少し異様な場面がありました。「フリーランス」と名乗る椎谷哲夫氏が国の世論調査の数字に疑問を呈し、小池氏に「旧姓の通称使用はどちらかといえば選択的夫婦別姓反対だと思う」と言わせるまで粘ったのです。

 この椎谷氏は、長年選択制の法改正を阻んできた政治団体・日本会議公式サイトの「出版案内」に掲載されている「夫婦別姓に隠された”不都合な真実”」著者です。「建国記念の日をお祝いする鹿児島県民の集い」では講師を務め、日本会議の機関誌『日本の息吹』令和3年11月号には「皇學館大学特別招聘教授」という肩書で「選択的 夫婦別姓 内閣府世論調査データを“改ざん”した地方議会の意見書を糾せ」という記事を書いています。

 会見で「通称使用の拡大は二重氏の問題を拡大させる。制度導入反対の正論にはならない 」とまで語った小池氏に、なぜわざわざこの一言を言わせるまで食い下がったのか。小池弁護士の回答を利用して、椎谷氏は地方議会に「公開質問状」を送り 、選択的夫婦別姓推進の意図の意見書を撤回させる目的があったのでした。

拡大椎谷氏が各地の地方議会に送った公開質問状。レンタルオフィスの住所から送っている

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筆者

井田奈穂

井田奈穂(いだ・なほ) 「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長

1975年、奈良県生まれ。IT業界で働く傍ら、Twitterでつながった仲間と地元議会に陳情を出したことをきっかけに2018年11月、選択的夫婦別姓の法制化を求める団体を設立。全国の地方議会で同制度推進の意図での意見書可決が急増する発端を作った。早大・棚村研究室と共同で47都道府県で7000人対象の意識調査を行ったほか、2021年には国会内では自民党含め、7つ党で国会議員向け勉強会を実施。現在メンバー登録者数は約600名。公式サイト:https://chinjyo-action.com/

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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