選択的夫婦別姓反対派はなぜ「世論調査」を読み誤るのか
世論は法改正に向け着々と進む。非論理的主張にかいまみえる反対派の焦り
井田奈穂 「選択的夫婦別姓・全国陳情アクション」事務局長
世論調査結果を「賛成・容認66.9%」と読むのは改ざん、水増しか?
反対派が問題としている箇所は、意見書の中のこのような記述です。
「平成30年2月に内閣府が公表した世論調査において、夫婦同姓も夫婦別姓も選べる選択的夫婦別氏(姓)制度の導入に賛成または容認すると答えた国民は66.9%であり、反対の29. 3%を大きく上回ったことが明らかになった」
これを反対派は「容認」の表記すら読み飛ばして「選択的夫婦別姓賛成は42.5%にすぎず、66.9%を賛成とするのは水増しだ」と訴えているわけです。
彼らが読み違えている点はどこなのでしょう。
私たちが世論調査について、議員陳情の際に使っている説明資料はこちらです。
問いは「同姓/別姓の是非」ではなく「選択肢を広げる法改正の是非」
この設問で何が問われているのか、内閣府サイトより、正確に引用します。
「現行制度と同じように夫婦が同じ名字(姓)を名乗ることのほか、夫婦が希望する場合には、同じ名字(姓)ではなく、それぞれの婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めた方がよい。」という意見があります。このような意見について、あなたはどのように思いますか。
見るべきポイントは3点です。
1.この設問は、同姓/別姓の是非ではなく、「それぞれの婚前の名字を名乗るのを希望する夫婦」が存在することを前提に、「選択肢を広げる法改正の是非」について聞いた設問である。
2.夫婦がともに「婚前の氏名を法的に名乗りたい」という夫婦別姓のニーズがなければ、そもそも法改正は必要ない。
3.現在のように「どこでも使えるわけではない」通称使用で満足な人なら「どこでも使いたい」ニーズも発生しない。