メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

ウクライナで増え続ける戦死者 「数」の向こう側に隠された1人ひとりの生死

独ソ戦に志願した女性兵士の証言から読み解く戦場の実相

木代泰之 経済・科学ジャーナリスト

 ウクライナ侵攻で、おびただしい数の戦死者が出ている。ウクライナ軍の発表(3月26日)では、ロシア軍の戦死者は1万6400人。一方、ロシア軍の発表(3月3日)ではウクライナ軍の戦死者は2870人である。

 ともに誇張があるかもしれないが、今後、ウクライナ東南部が主戦場になれば、戦死者数は更に増えると見られている。

 兵士がどこでどのように戦って死傷したかは、軍の秘密情報なので明らかにされない。私たちは戦闘後の映像や双方の戦死者の数を見て、勝敗の行方を見守るしかない。

ロシアの爆撃で破壊されたキーフの住宅=Drop of Light/shutterstockロシアの爆撃で破壊されたキーフの住宅=Drop of Light/shutterstock

ミサイル攻撃された戦車や装甲車での戦死

 ロシア戦車がドローンや対戦車ミサイルで破壊されている。戦車にはふつう車長、操縦手、砲手、砲弾装てん手の4人が乗る。自動装てんの戦車なら3人である。

 ウクライナ軍はロシアの戦車575両を破壊したと発表した。事実なら2千人ほどが戦死している。戦車の壊れ方はすさまじく、乗員は高熱と爆風で一瞬のうちに死亡したはずだ。

 装甲戦闘車も1640台を破壊したという。これには車長、操縦手、砲手の他に武装歩兵が7人ほど乗るので、1万人ぐらいが戦死した可能性がある。

 他にヘリコプター127機、自動車1131台、大砲システム129台を破壊したとしており、2千人ぐらいの戦死が考えられる。合計すると冒頭の戦死者数(1万6400人)に近くなる。

横行する徴用逃れ、未熟な徴用兵が戦場へ

 このロシア軍の戦死者の中に18~20歳代の徴用兵が相当数いたことが発覚し、母国で問題になっている。

・・・ログインして読む
(残り:約2507文字/本文:約3150文字)