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ロシアが中国と連携すれば世界は分断 その危機を回避するには

「ウクライナ後」を見据えて日本ができること

田中均 (株)日本総合研究所 国際戦略研究所 理事長/元外務審議官

 ウクライナの戦争は近い将来終わる見通しがない。ロシアは東部ドンパス地方とクリミアをつなぐ回廊の占領支配を目的とするというが、ウクライナの抵抗は強い。現時点では、停戦に向かって動き出すより、戦況が膠着し戦争が長期化していく蓋然性の方が高い。

 ただ、いずれにせよ国際法を正面から無視して侵略を行い、非人道的な戦争を遂行したロシアと国際社会の関係は戦争前に戻ることはなく、国際秩序も大きく変容せざるを得ないのだろう。この情勢にどう向き合っていくべきだろうか。

かつての東西対立が再来するのか

 現在のおよそ倍の人口を持ち、広大な土地を支配し、東欧の国々を含むワルシャワ条約機構(1955年)を率いたソ連と、今日のロシアは国力の面において比較にならない。ソ連は強大な軍事力と米国と同等の核戦力を持ち、西側と厳しい対立をしてきた。しかし、西側との経済格差が拡大し、情報の流入により社会が脆弱になり、東欧諸国が民主化の道を辿り、ゴルバチョフなど指導者の判断によりソ連は解体された。

拡大東西冷戦の象徴だったベルリンの壁は、東欧諸国の民主化などに伴い取り壊された=1989年11月、東ベルリン

 30年以上の道のりを経て、

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筆者

田中均

田中均(たなか・ひとし) (株)日本総合研究所 国際戦略研究所 理事長/元外務審議官

1969年京都大学法学部卒業後、外務省入省。オックスフォード大学修士課程修了。北米局審議官(96-98)、在サンフランシスコ日本国総領事(98-2000)、経済局長(00-01)、アジア大洋州局長(01-02)を経て、2002年より政務担当外務審議官を務め、2005年8月退官。同年9月より(公財)日本国際交流センターシニア・フェロー、2010年10月に(株)日本総合研究所 国際戦略研究所理事長に就任。2006年4月より2018年3月まで東大公共政策大学院客員教授。著書に『見えない戦争』(中公新書ラクレ、2019年11月10日刊行)、『日本外交の挑戦』(角川新書、2015年)、『プロフェショナルの交渉力』(講談社、2009年)、『外交の力』(日本経済新聞出版社、2009年)など。2021年3月よりTwitter開始、毎日リアルタイムで発信中。(@TanakaDiplomat)

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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