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議員政党の立憲民主党は国政・地方でどのように新人議員を教育しているのか?

「政党」としての公明党~一学究の徒の政治学研究【6】

岡野裕元 一般財団法人行政管理研究センター研究員

 「論座」では「『政党』としての公明党~一学究の徒の政治学研究」を連載しています。1999年に自民党と連立を組んで以来、民主党政権の期間をのぞいてずっと与党だったこの党はどういう政党なのか、実証的に研究します。6回目は議員教育に関して、組織政党の公明党とは異なる議員政党である立憲民主党について論じます。(論座編集部)
◇連載 「政党」としての公明党~一学究の徒の政治学研究は「こちら」からお読みいただけます。

拡大立憲民主党の新ポスターを発表する泉健太代表=2022年4月25日、国会内

 本稿は、前回「組織政党の公明党と日本共産党は議員教育でどのように創意工夫しているのか?」に引き続き、議員教育をテーマとして各党を比較する。前回は公明党東京都本部と日本共産党京都府委員会の事例を扱ったが、今回は議員政党の立憲民主党を対象とする。

 「政調会長と地方の政策責任者、地方議員のオンラインでの直接対話は結構やっていますよ。政調では、1期生を政調会長補佐に任命して、毎週のようにいろいろなことを語り合っているし、女性候補向けの政策研修会を開催したし、そういう努力は鋭意行っています」

 立憲民主党の小川淳也・政務調査会長は、政調内での取り組みの意義をこう語る(2022年4月28日インタビュー・筆者取材)。

 野党第1党の立憲民主党の議員教育は、どのように展開されているのだろうか。各党間の特徴を抽出して比較するため、立憲民主党について小川淳也・政務調査会長(衆議院議員)、大滝敬貴氏(党本部総務局部長)(2022年4月14、18日インタビュー・筆者取材)に詳細をお聞きした。

国会質問作成、日常活動……新人議員教育に注力

 立憲民主党の議員教育(研修会)は、新人国会議員(「新人議員研修会(旧質問講習会)」という名称の研修会)、地方議員(自治体議員ネットワーク)、女性地方議員(女性議員ネットワーク)、若い議員(青年局)を対象としたものがある。また、その時々に応じたテーマ別の研修会(例、ジェンダー平等)もある。

 新人の国会議員や地方議員、若い議員を対象とした研修会は、旧民主党時代から行われている。野党第1党で公明党や共産党よりも新人議員数が多いため、新人教育にも力が入る。

 2021年10月31日の衆院選では16人の新人が当選(2021年11月16日現在)(シュハリ・イニシアティブ[編]『国会便覧』(令和3年12月臨時版)シュハリ・イニシアティブ、2021年、p.360)。同年12月16日の新人議員研修会では、衆議院本館で約1時間半かけて、馬淵澄夫国対委員長、小川政調会長、国対役員、政調役員が講師となり、国会の業務、国会質問の準備などをテーマに講義が実施された(国会対策委員会、政務調査会の合同主催)。

 また、2022年4月7日には、玄葉光一郎・衆議院議員が講師となって、当選1回、2回の議員を対象とした研修会を実施。国会質問の準備・作成・追及や日常活動などについて、ケーススタディと質疑を扱った。

 議員の経歴は様々で、永田町に土地勘のない者(国会議員秘書を経験していないなど)も当然いる。大滝部長は、次のように語る。

 議員の教育は半分以上がOJTみたいなものです。学校のような勉強会形式でスケジュールを決めて、というわけにはいきません。選挙が終わったばかりでは新人を対象に、世の中で重要なテーマが出てきたときにはそのテーマについて、政務調査会では、日常的な部会が一種のOJTという形になる。広い意味では日常的にあちこちでやっています。

 特に野党の場合は、国会は立法機関であるとともに、行政監視機能が重要です。行政監視機能は、本会議や委員会での様々な質疑で行われるわけですから、役所の使い方、院の調査局や法制局の使い方も含めて勉強会でやります。実際に国会が始まったら、実践的に国会質疑をどうやるか、日常的な政治活動をどうやるかということをやります。

 大滝部長によると、2022年は4月14日までに新人議員研修会を6回実施したという。野田佳彦、岡田克也、玄葉光一郎、安住淳、長妻昭といった議員が講師を担当した。いずれも、旧民主党時代に政府や党の中枢を担ったベテラン勢だ(旧民主党政権時代の遺産を活用している)。

 党職員(例、政調、国対、選対、総務担当の職員など)は日常的に補佐活動を行う。研修会で講師を務めるのではなく、職員が知っていることを教えたり、相談にのったりすることが中心になる。

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筆者

岡野裕元

岡野裕元(おかの・ひろもと) 一般財団法人行政管理研究センター研究員

1989年千葉県佐倉市出身。学習院大学法学部卒業。学習院大学大学院政治学研究科政治学専攻博士後期課程修了、博士(政治学)。現在、一般財団法人行政管理研究センター研究員のほか、報道番組の司会者の政治アドバイザーも務める。元青山学院大学文学部・学習院大学法学部非常勤講師。専門は、地方政治、政治学。著書に、『都道府県議会選挙の研究』(成文堂)、『官邸主導と自民党政治――小泉政権の史的検証』(共著、吉田書店)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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