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参院選は難しく、しかも重要だ~政治激動の予兆が垣間見えた3ケースに学ぶ

世論調査の政党支持率だけを見て結果の見えたつまらない選挙と言っている場合ではない

曽我豪 朝日新聞編集委員(政治担当)

 参院選は難しい。建前と実態が食い違う。

政権交代の遠因になるケースも

 教科書的な定義で言えば、有権者が政権を選び取る機能は衆院選のものであって、参院選は政権・与党と野党に対する実績評価にとどまるはずだ。だが、実際には、政権を衆参のねじれに追い込むなどして、結果的に政権交代の遠因となるケースが少なくない。

 それでなくとも、衆院選で大勝し強大化した政権に対しては、参院選でバッファー(牽制)の逆風が生じやすい。その結果、参院選が併せ持つ「政権交代」の副次機能は無視出来ないものとなる。

拡大参議院規則の一部を改正する規則を賛成多数で議決する参院本会議=2022年6月1日、国会内

一筋縄でいかない勝ち負けの判定

 そもそも、勝ち負けの判定が一筋縄でいかない。衆院選なら、単独政権にせよ連立政権にせよ、多数派を得て内閣を形成する「勝者」は明白だろう。だが参院選は、6年の議員任期制に基づき、3年ごとに半分ずつが改選される仕組みだ。

 ならば、勝敗の基準はあくまで、①改選議席を巡る増減で判断すべきなのか。それとも、衆参のねじれなど政権の存亡に与える影響を重要視して、②非改選を含めた全議席を基準とすべきか。

 あるいは、民意の変化や不変化をとらえるため、③前回3年前や改選の対象となる前々回6年前の参院選との比較も必要か。さらに、視点を広げて、④直近の衆院選からの流れも判定に加味すべきなのだろうか。

「敗北」が分かりやすい参院選の例

 筆者もそうだったから偉そうなことは言えないが、よく引用される過去の参院選は、分かりやすい「敗北」ばかりだ。

 自民党がリクルート事件と消費税導入を巡る逆風を受けて参院の過半数割れの危機に直面した1989(平成元)年の参院選然り、橋本龍太郎首相が減税を巡る自身の発言を迷走させて同じく衆参のねじれが生じた98(平成10)年の参院選然り。前者は4年後の93年衆院選で戦後続いた自民党の長期政権時代が終焉する序曲となり、後者は現在まで続く「自公連立」を生む呼び水となった。

 あるいは、1回目の安倍晋三自公連立政権下の2007(平成19)年のそれも、民主党の菅直人政権下の2010(平成22)年のそれも、選挙結果から直ちに判定が出来る敗北である。共に続く衆院選で政権交代が起きる原因となった。

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筆者

曽我豪

曽我豪(そが・たけし) 朝日新聞編集委員(政治担当)

1962年生まれ。三重県出身。1985年、東大法卒、朝日新聞入社。熊本支局、西部本社社会部を経て89年政治部。総理番、平河ク・梶山幹事長番、野党ク・民社党担当、文部、建設・国土、労働省など担当。94年、週刊朝日。 オウム事件、阪神大震災、など。テリー伊藤氏の架空政治小説を担当(後に「永田町風雲録」として出版)。97年、政治部 金融国会で「政策新人類」を造語。2000年、月刊誌「論座」副編集長。01年 政治部 小泉政権誕生に遭遇。05年、政治部デスク。07年、編集局編集委員(政治担当)。11年、政治部長。14年、編集委員(政治担当)。15年 東大客員教授

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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