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G7の一角をなす日本のウクライナ支援

始まりは2014年のマイダン革命とロシアの侵略

角茂樹 玉川大学、岩手大学、川村学園女子大学、上智大学客員教授、元ウクライナ大使

 2022年2月24日早朝、ドニプロ(ドニエプル)川を望む古都キーウ(キエフ)の人々は、ロシアのミサイル攻撃を受け恐怖のどん底にたたき落とされた。前日の夜までシェフチェンコ国立歌劇場では、オペラが催されていたし、ロシア軍が国境に集結していることには不安を感じつつも通常通りの生活をおくっていた。

拡大ダボス会議に中継で参加したウクライナのゼレンスキー大統領=2022年5月23日、世界経済フォーラムの中継サイトから

 ロシア側は、ゼレンスキー大統領が逃亡したとの虚偽の情報を流したが、ゼレンスキー大統領はすぐさまSNSで自分がキーウにとどまっている事、ウクライナ軍は各地でロシアに対して徹底抗戦を行っていることを世界に発信した。その後のウクライナ軍の頑強な抵抗は世界を驚かすことになる。

 ロシアの侵攻に対して、国連安全保障理事会は全く機能せず、国連は何をしているのかという疑問を人々に投げかけた。そもそも国連は、1945年に米国・ソ連・中国・フランス・英国が世界の警察官として一体となって国際の平和と安全を確保するとの構造で作られた組織であって、その警察官であるべきロシアが明確な侵略を行う事は全く想定していない。ロシアは、国連安保理の常任理事国であって、あらゆる決定を阻止する拒否権を有しているのだ。

 国連に代わって実質的な役割を果たしているのは、日本・米国・英国・ドイツ・フランス・イタリア・カナダの7カ国からなるG7であり、NATOという軍事同盟であることは承知のとおりである。日本はG7の一カ国であってその動向は世界に注目されている事も論を待たない。本稿では、ウクライナとロシアの関係を日本が大きな役割を担うG7の観点から整理してみたい。

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筆者

角茂樹

角茂樹(すみ・しげき) 玉川大学、岩手大学、川村学園女子大学、上智大学客員教授、元ウクライナ大使

東京都出身。一橋大学商学部卒業後、外務省入省(1977)、オックスフォード大学卒業(1980)。在ウイーン国際機関大使(2005)、国連大使(2008)、バーレーン大使(2011)、ウクライナ大使(2014)。2019年に退官。以後玉川大学、岩手大学、川村学園女子大学、上智大学院で国際関係論を教える。ウクライナ問題、国際機関関連の著作多数。

※プロフィールは、論座に執筆した当時のものです