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政党は選挙候補者をどうリクルートしているのか?~自民党都連と立憲民主党の場合

「政党」としての公明党~一学究の徒の政治学研究【8】

岡野裕元 一般財団法人行政管理研究センター研究員

 「論座」では「『政党』としての公明党~一学究の徒の政治学研究」を連載しています。1999年に自民党と連立を組んで以来、民主党政権の期間をのぞいてずっと与党だったこの党はどういう政党なのか、実証的に研究します。8回目は、選挙の候補者のリクルートについて、自民党東京都連と立憲民主党のケースをもとに論じます。(論座編集部)
◇連載「『政党』としての公明党~一学究の徒の政治学研究」はこちらからお読みいただけます。

拡大自民党本部=東京都千代田区

 前回に引き続き、今回も選挙の候補者リクルート(自民党、立憲民主党、公明党)についての議論を引き続き展開したい。前回「自民党・民主党は新人議員をどう教育してきたのか?~中央政治大学院の役割は」では、自民党の新人議員教育と中央政治大学院に焦点を当てた。本稿では、前半部で自民党東京都連を、後半部で立憲民主党を事例に扱う。

地方政治学校出身議員の約3割が都連政経塾から

 議員政党における候補者リクルートのあり方については、平成期に大きく様変わりした。自民党の地方政治学校出身者(2010年の党則改正以前も含め)は、累計約1000人が各級議員になった。どこの地域の地方政治学校出身者が多いのか。調査を進めると、自民党東京都連が運営する「TOKYO自民党政経塾」(以下、都連政経塾と略記する)に行き着いた。

 都連政経塾が輩出した政治家は合計302人(TOKYO自民党政経塾HP「出身議員等」2022年3月5日現在、2022年5月19日閲覧)。全国の地方政治学校出身議員の約3割にのぼる。合計302人の各級の内訳(現職・元職別の人数)は、衆参両議員11人(7人・4人)、知事、区市町村長3人(3人・0人)、都道府県議会議員23人(15人・8人)、区市町村議会議員265人(212人・53人)である(同HP)。地方議員となった者が多数存在する。

 都連政経塾出身の具体的な現職国会議員の顔ぶれ(選挙区・当選回数)は、衆議院議員が山田美樹(東京1区・当選4回)、辻清人(東京2区・当選4回)、土田慎(東京13区・当選1回)、大西英男(東京16区・当選4回)、小倉將信(東京23区・当選4回)、国光あやの(茨城6区・当選2回、元厚生労働省職員)、参議院議員が小野田紀美(岡山県選挙区・当選1回、元東京都北区議)であり、全員が公募だ(2022年5月19日現在。選挙区と当選回数は『国会便覧』を参考)。

 さらに、政経塾出身ではないが、平将明(東京4区・当選6回)、松島みどり(東京14区・当選7回)の両衆議院議員も公募出身である。東京都の衆議院小選挙区は25あり、自民党は2021年10月31日の衆院選で16獲得している。そのうち、公募出身議員が7人を占めていることになる。

都連の「TOKYO自民党政経塾」

 都連政経塾の実務面での実態を聞く目的で、自民党東京都連の八木洋治・事務総長へ取材した(2022年5月20日インタビュー(筆者取材)。以下同じ)。同事務総長によると、都連事務局が地方政治学校の件で取材を受けるのは、今回が初めてだという。

 「TOKYO自民党政経塾」は、塾長(深谷隆司・元衆議院議員)、塾長代行(小田全宏氏)、都連五役(会長 萩生田光一・衆議院議員、会長代行 丸川珠代・参議院議員、幹事長 高島直樹・東京都議、総務会長 井上信治・衆議院議員、政調会長 平将明・衆議院議員)だけでなく、同塾運営のための運営委員(12~13人で構成され、国会議員や都議も含まれる)、都連職員と幅広く関与している。入塾の選考では、運営委員それぞれが分担しながら入塾希望者の書類や論文を読み、チェックを行う。

 都連政経塾は、この2022年度で17期目を迎える(1期目は2006年度で、第3次小泉政権・第1次安倍政権の頃)。講義の開講時間帯は19時~21時であり、1日2講座行われる。都連政経塾の定員は、「一般リーダーコース」(50人)と「専門政治コース」(50人)の合計100人である。国政、地方政治といった政治領域での区別はない。

 コロナ禍であった第16期生(2021年度)の場合は、開講式、修了式、2日間の合宿も含め、専門政治コースが17日間、一般リーダーコースが11日間(一般リーダーコース生は、専門政治コースの講義が受講不可)のカリキュラムをこなした(TOKYO自民党政経塾HP「講師実績」2022年5月23日閲覧)。コロナ禍の第16期(2021年度)と第15期(2020年度)は、オンライン形式での講義となった。念のため、コロナ禍以前の第13期(2018年度)と比較すると、第16期と同じ日数である。

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筆者

岡野裕元

岡野裕元(おかの・ひろもと) 一般財団法人行政管理研究センター研究員

1989年千葉県佐倉市出身。学習院大学法学部卒業。学習院大学大学院政治学研究科政治学専攻博士後期課程修了、博士(政治学)。現在、一般財団法人行政管理研究センター研究員のほか、報道番組の司会者の政治アドバイザーも務める。元青山学院大学文学部・学習院大学法学部非常勤講師。専門は、地方政治、政治学。著書に、『都道府県議会選挙の研究』(成文堂)、『官邸主導と自民党政治――小泉政権の史的検証』(共著、吉田書店)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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