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安倍元首相「国葬儀」が抱える重大リスクに、岸田首相は堪え得るか

さらなる社会の「分断」「二極化」と莫大な葬儀コスト

郷原信郎 郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士

安倍氏の功績の評価と社会の「二極化」

 国民に服喪を強制するようなものではないとしても、全額国費で賄い、国の機関等が弔意で埋め尽くされることになるのであり、それに対して、国民が違和感を持つものでないことが、最低限必要であろう。そういう意味で、吉田元首相が「国葬」、佐藤元首相について、「国葬」ではなく「国民葬」であったこととの比較が重要となる。

 国内経済の繁栄を築き、退任後は日本人として初めてのノーベル平和賞を受けた佐藤元首相であったが、退陣後3年で死亡、退陣後13年保守政界の大御所となっていた吉田元首相ほどに歴史的評価が定着していないことが、「国葬」見送りの理由とされた。
安倍氏の首相在任中の功績については、国民の間で賛否をめぐって意見の対立があるものの、いずれにしても、内政、外交両面にわたって多大な業績を残したことは間違いない。

 しかし、その功績が、佐藤元首相との比較で、国民に違和感を持たれないレベルなのか、という点には疑問がある。

 そして、この点に関連して重要なのは、

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筆者

郷原信郎

郷原信郎(ごうはら・のぶお) 郷原総合コンプライアンス法律事務所 代表弁護士

1955年、島根県生まれ。東京大学理学部卒。東京地検特捜部、長崎地検次席検事、法務省法務総合研究所総括研究官などを経て、2006年に弁護士登録。08年、郷原総合コンプライアンス法律事務所開設。これまで、名城大学教授、関西大学客員教授、総務省顧問、日本郵政ガバナンス検証委員会委員長、総務省年金業務監視委員会委員長などを歴任。著書に『告発の正義』『検察の正義』(ちくま新書)、『「法令遵守」が日本を滅ぼす』(新潮新書)、『思考停止社会─「遵守」に蝕まれる日本』(講談社現代新書)など多数。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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