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コロナ後の韓国、切り替えの早さと瞬発力──コロナ対策、BTS、万博誘致

伊東順子 フリーライター・翻訳業

 新型コロナウイルスのパンデミック下で止まっていた日韓の人的交流が少しずつ再開している。先日9月3日はソウルで、バッハ無伴奏チェロ1〜6番をチェリストと舞踊家がそれぞれ6名でコラボするという公演があり、日本から山田せつ子さんと鯨井謙太郒(けんたろう)さんの舞踊家二人が参加した。

 山田さんは韓国がまだ日本文化を大幅に制限していた1980年代後半、日本人舞踊家として初めて公式に韓国の舞台に立ったパイオニアであり、まさに「コロナ後」の交流再開にふさわしい存在だ。韓国の若きチェリストと日本のベテラン舞踊家の共演は息を呑むほど素晴らしく、カーテンコールでは手を取り合った二人の爽やかな笑顔が印象的だった。

 隣国の人同士が自由に交流するのは素晴らしい。あらためて思いながら客席を見渡せば、そちらも韓国人と日本人が混ざっている。韓国には古くからの山田さんのファンがいるし、日本から訪韓した関係者もいる。

 「3年ぶりです。本当に会えて嬉しい」

 あちこちから再会を喜び合う声が聞こえてくる。

 前回、統一教(トンイルキョ、韓国では旧統一教会/世界平和統一家庭連合をこう呼ぶのが一般的)について書いたら少なからぬ反響があり、編集部にぜひ続きをと言われた。

 それについてもいずれ書くが、韓国があまりにも特定のイメージに偏るのも良くないと思うので、今回はまず、現在普通にみられる韓国の様子をお伝えしたい。

 韓国は日本よりも早く「コロナ後」に舵を切り、8月から暫定的に日本人のノービザ観光を認めている。すでにたくさんの日本人が訪韓し、さらに10月にはBTSの10万人コンサートも予定されている。そこには様々な問題もあるのだが、それも含めて、さて、今の韓国はどうなっているのだろうか。

釜山万博誘致のため、10万人規模の無料コンサートが予定されているBTS Featureflash Photo Agency/Shutterstock.com拡大2030年釜山万博誘致のため、10万人規模の無料コンサートが予定されているBTS Featureflash Photo Agency/Shutterstock.com

筆者

伊東順子

伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業

愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『韓国カルチャー──隣人の素顔と現在』(集英社新書)、『韓国 現地からの報告──セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)など、訳書に『搾取都市、ソウル──韓国最底辺住宅街の人びと』(イ・ヘミ著、筑摩書房)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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