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何をどう間違えたのか 旧統一教会問題と国葬断行で坂道を転がり始めた岸田首相

権力の源泉「世論の支持」は取り返せるのか

花田吉隆 元防衛大学校教授

 何やら岸田首相がおかしい。打つ手、打つ手が裏目に出る。歯車が狂い始めた。一気に坂道を転がり落ちるかのようだ。

 閣僚の世界平和統一家庭連合(旧統一教会)との関係の処理、内閣改造、国葬、自民党による点検結果の公表と、支持率下落を反転させるべく打つ手が、逆に支持率下落を加速させている。こういう時は何をやっても駄目だ。運は岸田首相を見放したか。

暗転の始まりは旧統一教会問題の処理

 閣僚の旧統一教会との関係の処理を誤ったことが暗転の始まりだった。岸田首相は、この問題が大きな火種になるとの認識を欠いた。だから、〈個々の議員が自分で調べればよく、首相自身はそれを議員各自に「厳命」したのだからそれ以上責任は負わない〉とした。党として実態調査に乗り出すこともしないとも。これに国民が反発した。国民は、旧統一教会と政治との結びつきは看過しがたい問題で、自民党は旧統一教会とズブズブの関係にあるのではないか、きちんと調べるべきだとした。岸田首相は、その声に正面から向き合おうとしなかった。

 岸田首相は、菅前首相が、国民の声にきちんと向き合わず、説明責任を欠いたことで支持を急落させたことを反省し政権を発足させた。だから、自分は国民の声に向き合うとして「聞く力」を強調し、丁寧な説明を心掛けるとした。国民はこれを好感し、高い支持を与えた。それが、参議院選挙まで続き、選挙で自民党は勝利した。

拡大参院選で当選確実の候補者の名前に花をつける自民党総裁の岸田文雄首相(右)=2022年7月10日、東京・永田町の自民党本部

 元々、岸田首相に強いリーダーシップや、政策実行能力があったわけではない。その点では、前任や前々任の方が上だ。それでも、国民の方を向き、丁寧な説明に努めるという姿勢が高い評価を生んだ。いわば、国民の支持が、力量の不足をカバーした。だから、岸田首相は、ゆめゆめ国民の支持を疎かにするようなことがあってはならなかった。

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」等。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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