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在韓日本人信者を「切ない」と感じて

日本人コミュニティと統一教会

伊東順子 フリーライター・翻訳業

一目で日本人とわかる女性たち

韓国の放送局MBC本社前で2022年8月31日、「MBCは謝罪しろ」などと書かれたプラカードを持ちながら行進する「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の信者ら=2022年8月31日、ソウル拡大韓国の放送局MBC本社前で、「MBCは謝罪しろ」などと書かれたプラカードを持ちながら行進する「世界平和統一家庭連合(旧統一教会)」の信者たち=2022年8月31日、ソウル

 MBCの番組に対し、統一教側は8月31日に抗議集会を行った。場所はMBC本社前で、最寄り駅は空港鉄道のデジタルメディアシティ駅である。ちょうど空港に行く予定があったので、早めに出て寄ってみることにした。

 駅を出たら、早速、日本語が聞こえてきた。4人連れの女性。年代は40~50代だろうか。そうしてあたりを見渡せば、あそこにも、ここにも、一目で日本人とわかる女性たちがいる。なぜ日本人とわかるんだろう?

 「服装が地味だから?」

 「それ、わかる気がする」

 後で在韓の友人とそんな話をした。

 集会の様子は日本でも報道されたというから割愛するが、個人的には30年前にソウルの蚕室スタジアムで見た合同結婚式を思い出した。あの時は日本から芸能人も来るからと、友人たちと物見遊山で見に行った。

韓国・ソウルのオリンピックスタジアムで開かれた統一教会主催の国際合同結婚式の前に、報道陣に囲まれた日本人信者。世界各国から2万組4万人が参加。日本からは人気女優の桜田淳子さん、新体操の元女王山崎浩子さんらも参加した1992年8月25日
拡大韓国・ソウルのオリンピックスタジアム(蚕室スタジアム)で開かれた統一教会(当時)主催の国際合同結婚式を前に、報道陣に囲まれた日本人信者たち=1992年8月25日、AP

 入り口で紅白饅頭のようなものをもらい、スタジアムの観客席から合同結婚式を眺めた。周囲には新郎新婦の家族親族もいて、結婚式が終わるとグラウンドから上がってきた二人を迎えて、持参の食事でそれぞれ「披露宴」のようなことをしていた。親族の中には晴れ着(チマチョゴリ)姿の人もいて、「なるほど、家族にとっては、これもやはり結婚式なんだな」と妙に納得もしたのだが、気になったのは近くにいた家族の中で、一人ポツンと座っていた新郎だった。

 「あれは、たぶん韓国語がわからないんだよ」

 新婦の親族だけが盛り上がっている中で、何も喋らずにニコニコしていた青年。直感的に

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筆者

伊東順子

伊東順子(いとう・じゅんこ) フリーライター・翻訳業

愛知県豊橋市生まれ。1990年に渡韓。著書に『韓国カルチャー──隣人の素顔と現在』(集英社新書)、『韓国 現地からの報告──セウォル号事件から文在寅政権まで』(ちくま新書)など、訳書に『搾取都市、ソウル──韓国最底辺住宅街の人びと』(イ・ヘミ著、筑摩書房)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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