情報、作戦、兵站、人事の軍事的分析から考察する戦争の行方
2022年09月21日
2022年2月24日、ロシア軍がウクライナに侵攻を開始した。ロシア軍は、北部・東部・南部の各地区において予想を超えるウクライナ軍の激しい抵抗に遭遇し、3月末には北部地区(キーウ近郊)から撤退した。その後、ロシア軍とウクライナ軍は東部及び南部地区で戦闘を継続し、両軍とも大きな損害を出しながら戦線は膠着状態になっていた。
9月6日、ウクライナ軍は東部ハリコフ州地区において攻勢作戦を開始し、わずか5日間という短期間で同州のほぼ全域を奪還する大きな戦果を上げた。
今回は、東部ハルキウ州地区における両軍の作戦に関して、陸軍の考察要素(情報、作戦、兵站、人事)を当てはめて定性的に分析してみたい。
ウクライナ軍は短期間で、東部ハルキウ州の要衝イジュームをロシア軍から奪還し、同州の被占領地域の大半に当たる3000平方キロメートル以上を奪還した(ウクライナ軍ザルジニー総司令官のSNS)。ゼレンスキー大統領は14日にはロシア軍から解放したイジュームを訪問し、兵士達と国旗掲揚式典に参加して、作戦成功を全世界にアピールした。
ウクライナ軍は米国及びNATO諸国から精度の高い情報(画像、電波、ヒューミントにより収集)提供を受けて、ロシア軍部隊の編成及び配備状況、装備・弾薬の現況などを正確に把握できた。
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