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プーチン大統領が核戦争に踏み切る本気度

世界はロシアの核使用を抑止できるか

花田吉隆 元防衛大学校教授

 まさかプーチン大統領とて核のボタンに手をかけることはあるまい、世界はこれまでそう思ってきた。確かに、プーチン大統領が追い込まれていなければそうかもしれない。しかし、戦況はロシアに不利に展開しつつある。その場合、ロシアによる核使用の可能性はどれほどあると考えるべきなのか。

正気の沙汰と思えないプーチンの併合宣言

 まさに、やりたい放題とはこのことだ。9月30日、プーチン大統領がウクライナ東部、南部4州の併合を宣言した。いきなり隣国に武力攻撃を仕掛け、住民投票と称するものを強行、住民の意思が確認されたとして自国領に編入する。あたかも、土足で他人の家に踏み込み、金目のものを略奪していくようなものだ。しかもこの場合、金目のものとは領土と住民だ。とても正気の沙汰と思えないが、これが現実にまかり通っている。

拡大ウクライナのバシレンコ議員が10月10日日朝、ツイッターに投稿した画像。首都キーウ中心部とみられ、黒煙が上がっているのがわかる

 もっとも、プーチン大統領は決して狂気なわけではない。プーチン大統領は似たようなことをこれまでもジョージア(アブハジアと南オセチアの独立承認)とクリミア(住民投票による併合)で行っており、今回、それを繰り返したに過ぎない。プ-チン氏は今回もうまく行くに違いないと考えただけだ。これまで欧米が真剣に制裁措置を講じなかったことが災いした。欧米は、プーチン氏に足元を見られたのだ。

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 ところが今回は勝手が違った。厳しい制裁が科されたこともさることながら、欧米諸国がここまでウクライナに武器供与をするとは思わなかった。とりわけ、今、供与されている武器の精度が高い。ロシア側の攻撃目標を遠距離からピンポイントで狙い正確に当ててくる。ロシア側は、たまらず東部ハルキウ州の占領地域から撤退したが、なお、東部、南部ともどもロシアは劣勢だ。この先どう展開するかわからず、早めに4州の併合を強行した。

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筆者

花田吉隆

花田吉隆(はなだ・よしたか) 元防衛大学校教授

在東ティモール特命全権大使、防衛大学校教授等を経て、早稲田大学非常勤講師。著書に「東ティモールの成功と国造りの課題」等。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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