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玉川徹氏の訂正・謝罪とテレ朝の処分は適正だったか~「電通関与」発言をめぐる五つの論点

放送事業者・報道機関としての自律性、独立性とはほど遠い対応

楊井人文 弁護士

 テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」で、コメンテーターの玉川徹氏が、安倍元首相の国葬に電通が関与しているかのような事実に基づかない発言をして謝罪し、その後、謹慎処分を受けたことが議論となっている。おおまかにいえば、玉川氏は誤りを認めて訂正したのだから処分は行き過ぎで、復帰させればよいという立場と、玉川氏の訂正は不十分であり、厳正な処分を求める立場に分かれている。

 焦点の一つは、国葬で最大の見せ場とも評された菅義偉前首相の弔辞についての、玉川氏の言及をどう解釈するか、である。これが複数の見方に分かれている。ところが、こうした議論は、歯に衣着せぬコメントをしてきた玉川氏に対する論者の評価や政治的な立ち位置にも左右されやすく、大雑把となりがちだ。

 そうした中、この問題について緻密に議論を組み立てた論考を、Yahoo!ニュース個人、論座で発表してきた弁護士の郷原信郎氏と、先日、YouTubeで対談させていただいた。郷原氏と私の間には認識を共有している部分もあれば、そうでない部分もあった。

 そこでの議論も踏まえ、浮き彫りになった論点を私なりに整理すると、次の5点になる(以後「玉川発言(問題)」と表記する)。

 論点① 玉川発言の趣旨は何であったか

 論点② 玉川発言をどう評価するか

 論点③ 玉川氏の訂正・謝罪は十分だったか

 論点④ テレビ朝日の対応を批判した自民党議員の発言をどう評価するか

 論点⑤ 玉川氏を謹慎処分にしたテレビ朝日の対応をどう評価するか

>>郷原信郎氏の論座の論考はこちら


筆者

楊井人文

楊井人文(やないひとふみ) 弁護士

1980年大阪生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業後、産経新聞記者を経て、弁護士登録。2012年〜2019年、日本報道検証機構代表としてマスコミ誤報検証・報道被害救済サイト「GoHoo」を運営。2013年よりYahoo!ニュース個人オーサーとして、メディアの報道や憲法問題などについて、独自の調査・検証記事を発表してきた。2017年6月、ファクトチェック・イニシアティブ(FIJ)を旗揚げし、事務局長。2020年1月〜2021年2月、インファクト(InFact)のファクトチェック部門編集長。日本公共利益研究所主任研究員。2018年4月、共著『ファクトチェックとは何か』を出版(尾崎行雄記念財団ブックオブイヤー受賞)。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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