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政治を志す女性たちを支える仕組みをどうつくるか~自民一強と民主党の終焉

「女性のための政治スクール」30年の歩みから考えるジェンダーと政治【16】

円より子 元参議院議員、女性のための政治スクール校長

 元参院議員の円より子さんが1993年に「女性のための政治スクール」を立ち上げてから来春で30年。多くのスクール生が議員になり、“男の社会”の政治や社会を変えようと各地で奮闘してきました。平成から令和にかけて、「女性」をはじめとする多様な視点は政治にどれだけ反映されるようになったのか。スクールを主宰する円さんが、自らの政治人生、スクール生の活動などをもとに考える「論座」の連載「ジェンダーと政治~円より子と女性のための政治スクールの30年」。今回はその第16話です。(論座編集部)
※「連載・ジェンダーと政治~円より子と女性のための政治スクールの30年」の記事は「ここ」からお読みいただけます。

野田佳彦さんの票集めに奔走

 2011年8月30日、民主党政権“2代目”の菅直人内閣が総辞職し、9月2日に野田佳彦内閣が正式に発足した。

 6月某日、私は野田さんを連れて、目白の永青文庫に細川護熙元総理を訪ねた。野田さんは細川さんとの9年ぶりの会合に緊張していた。2002年夏、野田さんは初めて民主党代表選に出ることになり、細川さんに会いたいと言ってきた。

 細川夫妻と私はちょうど軽井沢にいて、一緒に野田さんの到着を待っていたが、数時間くらい遅れるという。夕食を終え、二次会の店に行き、夜の10時まで待ったが、野田さんは来なかった。それ以来だったから、野田さんが緊張するのも無理はなかった。

 「静かなところですね」「ええ、狸もいるんですよ」。二人の会合はなごやかなうちに終った。日本の借金まみれの財政や将来を憂えていた細川さんは、税の直間比率の見直しも含め、大胆な財政建て直しを野田さんに期待していたと思う。

 この会合から民主党代表選までの2カ月間、細川さんと小沢一郎さんとの会合をセットしたり、私は野田さんの票集めに奔走した。そして紆余曲折はあったが、野田内閣が誕生した。

突然の衆院選出馬と民主党の惨敗

拡大党首討論で対決する野田佳彦首相(右)と自民党の安倍晋三総裁(左)。野田首相は衆議院を解散する意向を示した=2012年11月14日、国会内

 それから1年3カ月後の2012年11月14日、野田さんは安倍晋三・自民党総裁との党首討論で突然、2日後に解散すると表明した。私はすぐさま、東京10区の江端貴子さんら民主党候補の応援準備を始めた。その時は、まさか私まで立候補することになろうとは知る由もなかった。

 第46回衆院選の公示日は12月4日。その5日前、民主党の選対委員長、鉢呂吉雄衆議院議員から電話があった。

 「候補者が決まっていない空白区がいくつもあって、突然の解散でパニックでね。円さん東京8区に出てくれないかな。とにかく空白区をうめておかないと、東京は特にあぶない。18区の菅さんまで落選しそうなんだ。菅を助けると思って出てください。頼みます」

 2010年参院選で落選した後も、千代田区の一番町に事務所をかまえ、私設秘書を3人抱え、後援会も毎月開いていた。その日は後援会メンバーが10数人が集まることになっていた。聞くと即座に「出るべきだ」という。

 東京8区は杉並区全域。人口約55万人。大学時代とジャパンタイムズ勤務時代にアパート暮らしをしたことがあるが、生まれ育った土地ではなく、学校縁もない。頼りは「女性のための政治スクール」に通っていた現職、元職の区議3人。そして、杉並に住む友人や知人。みんな知り合いの名簿をもって、公選ハガキ書きに集まってくれた。大あわてで荻窪駅前に選挙事務所を借り、突貫工事でポスター・チラシをつくった。

 12月16日の投開票。民主党は大惨敗した。選挙前の議席は230だったが、獲得議席は57。173人もの現職議員が落選した。東京の小選挙区で勝てたのは、7区の長妻昭さん、21区の長島昭久さんだけ。菅直人さんや海江田万里さんも、なんとか比例で復活する始末。

 8区はと言うと、当選した自民党の石原伸晃さんが13万2521票で、私は5万4881票。他は山本太郎さんが7万1028票、共産党候補が2万3961票だった。5日間の準備と本番の12日間だけで、5万票以上なら、次はいけるのではないか。私の支援者はみんなそう踏んだ。

 一番町の事務所をたたんで、杉並区の荻窪に事務所を構え、区内をまわり始めた。2年後の2014年12月14日衆院選は、7万まで票をのばしたが落選。この選挙で民主党は選挙前から10議席増の73議席にとどまり、代表だった海江田さんが比例復活もできずに落選するという状況で、2012年に次ぐ大惨敗といってよかった。東京の小選挙区で勝てたのは8区の長妻昭さん一人。比例復活は松原仁さん、菅さん、長島さんの3人だった。

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筆者

円より子

円より子(まどか・よりこ) 元参議院議員、女性のための政治スクール校長

ジャパンタイムズ編集局勤務後、フリージャ―ナリスト、評論家として著書40冊、テレビ・講演で活躍後、1992年日本新党結党に参加。党則にクオータ制採用。「女性のための政治スクール」設立。現在までに100人近い議員を誕生させている。1993年から2010年まで参議院議員。民主党副代表、財政金融委員長等を歴任。盗聴法強行採決時には史上初3時間のフィリバスターを本会議場で行なった。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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