「政党」としての公明党~一学究の徒の政治学研究【25】
2023年04月14日
「論座」では「『政党』としての公明党~一学究の徒の政治学研究」を連載しています。1999年に自民党と連立を組んで以来、民主党政権の期間をのぞいてずっと与党だったこの党はどういう政党なのかを、実証的に研究します。今回はその第25回です。(論座編集部)
前回「都道府県議選候補者の政党間競合の実態と課題~議会を多様にするために必要なこと」(2023年03月31日付論座)は、都道府県議選での政党間の競合関係を論じた。その最後で、地方政治においても政党ラベルを機能させるには、議員政党の党内文化をどのように醸成すれば良いのか課題が残った。本稿は、その一つの答えとして、政党機関紙が果たす役割に注目する。
現在、新聞、雑誌の各活字メディアは、人口減少、購読者数の低迷により、危機的状況にある。首都圏の朝の通勤時間帯でさえも、電車内で読む人が減り、スマホを見ている人が多い。たまたま新聞を読んでいる人を見かけたら、新聞社の同僚だったという話さえある。家族単位でなく、個々人が娯楽の最適化をする時代でもある。
インターネット上で新聞、テレビが融合しつつあり、速報性、情報量といった各メディア媒体が有していた長短所の境界線が曖昧化しつつある。インターネットの「Yahoo! ニュース」を例にすると、無料で閲覧することができ、速報性にすぐれ、各新聞社の記事やテレビ局の映像も視聴でき、関連記事も容易に表示される。トップ画面で表示される重要ニュースも常に入れ替わる。分からない単語があれば、入力してそのまま検索ボタンを押せば良い。詳細な情報を報じる無料の「NHK ニュース・防災」アプリもある。こうした時代において、新聞社は新聞や雑誌の電子版も発行しているが、若い読者層は個々の社に課金してまで読もうとするだろうか(日経新聞は読むかもしれないが)。
国民の活字離れで打撃を受けるのは、なにも新聞社や出版社だけでなく、政党組織も該当する。その理由は、政党機関紙(政党新聞)の読者層が一般紙と異なり、相対的に党員、支持者中心の構造になりやすいからだ。
そもそも各政党機関紙は、一般紙が持つ「大衆性」と政党固有の「機関紙性」の両方の性格を有している。
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