米本昌平(よねもと・しょうへい) 東京大学教養学部客員教授(科学史・科学論)
東京大学教養学部客員教授。1946年、愛知県生まれ。京都大学理学部卒業後、三菱化成生命科学研究所室長、科学技術文明研究所長などを経て現職。専門は科学史・科学論。臓器移植からDNA技術、気候変動まで幅広く発言。著書に『地球環境問題とは何か』(岩波新書)、『バイオポリテイクス』(中公新書)など。
※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです
米本昌平
ノーベル医学生理学賞は、ワトソンとクリックのDNA二重らせんモデルの発見や、日本の利根川進博士による免疫の分子メカニズムの解明など、生命現象の基礎研究に贈られるイメージがあるが、今回の選考は、人類の福祉に貢献するという、アルフレッド・ノーベルの遺志に戻ったものと言うことができる。確かに、体外受精技術の確立によって、不妊に悩む世界中の人たちに画期的な解決策をもたらし、現在では普通の治療技術となった。