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「人体の不思議展」への疑問と批判-法廷までの道筋

高橋真理子

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

遺体の水分や脂肪分を合成樹脂に置き換え、全身標本や一部の標本にして有料で見せるのが「人体の不思議展」だ。直近では、京都市の「みやこめっせ」で2010年12月4日から11年1月23日まで開かれた。主催者のホームページによると、02年の大阪展以来、全国35会場を巡回し、650万人が来場したという。一方で、06年の仙台展開催中に発足した「『人体の不思議展』に疑問を持つ会」(代表=刈田啓史郎・元東北大教授)が公開質問状の送付といった活動を繰り広げてきた。質問状を受け取って後援をやめる団体も続出。11年1月20日には、「違法な遺体の展示や保存で精神的な苦痛を受けた」として主催団体に1万円の慰謝料を求める訴訟が提起されるに至った。
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