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孤族に陥りやすい技術者(1)-結婚できない(しない)技術者たち-

湯之上隆

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

 技術者は弧族になりやすい。特に、最先端の技術者はそうである。

 私がこのように考える理由を2回に分けて話したい。今回は、20代から30代の技術者の結婚事情についてである。

 私は、日立製作所の中央研究所に入社した。そこには、「半径10メートル、1/6の法則」という奇妙な法則が存在した。また、「今彼女がいない人は、最低5年は結婚できない」とも言われた。

 「半径10メートル、1/6の法則」とは、社内結婚に関する傾向を一言で示したものである。当時、中央研究所には1300人の社員がいて、毎年60人ほどの新入社員を採用していた。これらの男女比は、ほぼ6:1となっていた。つまり、女性社員の数は非常に少ない。そして、女子社員の多くは社内結婚するのだが、そのうち内訳を調べてみると、半径10メートルの近距離に席がある者同士の場合が非常に多かった。このようなことから、「半径10メートル、1/6の法則」が成立していた。

 しかし、1/6というのはまだ恵まれているということを、後に、工場へ転勤になって知ることになる。何しろほとんど女子社員はいない。工場とはオッサンの世界であり、女っ気は皆無。各部門に配属されている庶務の女子社員がいる程度で、その割合は1/60ぐらいではなかっただろうか?

 話を(恵まれている)中央研究所に戻すと、 ・・・ログインして読む
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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

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