内田麻理香(うちだ・まりか) 内田麻理香(サイエンスコミュニケーター)
【退任】サイエンスコミュニケーター。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。同大学工学部広報室特任教員を経て独立。様々な媒体を通じて、科学を伝える活動を行っている。著作・監修書に「科学との正しい付き合い方」や「おうちの科学」など。オフィシャルブログ「KASOKEN satellite」を開設中。※2012年3月末退任
内田麻理香
「国民に科学リテラシーを!」というスローガンは、先進国・発展途上国を問わず、錦の御旗として有効だ。我が国でも第3期科学技術基本計画の中に
「科学技術に関する国民の関心を高めるために、初等中等教育段階における理数教育の充実に加え、成人の科学技術に関する知識や能力(科学技術リテラシー)を高めることが重要である。このため、科学技術リテラシー像(科学技術に関する知識・技術・物の見方をわかりやすく文書化したもの)を策定し、広く普及する」
と明言されている。第4期の基本計画の策定に向けた特別委員会でも、国民全体の科学技術に対するリテラシーの向上が大事だと議論されている。確かに、読み書き計算レベルの最低限の知識や能力が必要であることはいうまでもないだろう。だが、ここで求められているのはたぶんそれ以上の知識や能力だ。だが実際、それ以上の科学リテラシーというものは、専門家でもない「国民」にとって本当に必要なものなのだろうか?
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