内田麻理香
2011年02月02日
「国民に科学リテラシーを!」というスローガンは、先進国・発展途上国を問わず、錦の御旗として有効だ。我が国でも第3期科学技術基本計画の中に
「科学技術に関する国民の関心を高めるために、初等中等教育段階における理数教育の充実に加え、成人の科学技術に関する知識や能力(科学技術リテラシー)を高めることが重要である。このため、科学技術リテラシー像(科学技術に関する知識・技術・物の見方をわかりやすく文書化したもの)を策定し、広く普及する」
と明言されている。第4期の基本計画の策定に向けた特別委員会でも、国民全体の科学技術に対するリテラシーの向上が大事だと議論されている。確かに、読み書き計算レベルの最低限の知識や能力が必要であることはいうまでもないだろう。だが、ここで求められているのはたぶんそれ以上の知識や能力だ。だが実際、それ以上の科学リテラシーというものは、専門家でもない「国民」にとって本当に必要なものなのだろうか?
有料会員の方はログインページに進み、デジタル版のIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞社の言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください