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やや大上段からの言い方になるが、資本主義というシステムがいま数百年単位の大きな曲がり角に立っていることは、近年の金融危機や先進諸国における慢性的な高失業率をあらためて指摘するまでもなく、確かな事実だろう。たとえば(図1)は日本における失業率の年次推移を見たものだが、10代から30代の若年層の失業率は高齢層のそれよりも高いものになっている。

 なぜこうなるのか。基本的な原因は「“雇用の総量”が拡大を続ける」という、高度成長期にあった前提がもはや存在しないことにある。雇用が“いす取りゲーム”のようになっているのが現在の先進諸国であり、退出者がいない限り雇用の「いす」は生じず、したがってそのしわ寄せは雇用マーケットに参入しようとする若者に集中することになる。 ・・・ログインして読む
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筆者

広井良典

広井良典(ひろい・よしのり) 京都大学こころの未来研究センター教授(公共政策・科学哲学)

1961年生まれ。84年東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)。厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授を経て現職。この間、マサチューセッツ工科大学客員研究員。社会保障、医療、環境などをめぐる政策研究からケア、死生観などについての哲学的考察まで幅広く発信。『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で第9回大佛次郎論壇賞を受賞した。

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