広井良典(ひろい・よしのり) 京都大学こころの未来研究センター教授(公共政策・科学哲学)
1961年生まれ。84年東京大学教養学部卒業(科学史・科学哲学専攻)。厚生省勤務、千葉大学法政経学部教授を経て現職。この間、マサチューセッツ工科大学客員研究員。社会保障、医療、環境などをめぐる政策研究からケア、死生観などについての哲学的考察まで幅広く発信。『コミュニティを問いなおす』(ちくま新書)で第9回大佛次郎論壇賞を受賞した。
広井良典
なぜこうなるのか。基本的な原因は「“雇用の総量”が拡大を続ける」という、高度成長期にあった前提がもはや存在しないことにある。雇用が“いす取りゲーム”のようになっているのが現在の先進諸国であり、退出者がいない限り雇用の「いす」は生じず、したがってそのしわ寄せは雇用マーケットに参入しようとする若者に集中することになる。
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