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クジラ論争には両論併記がよく似合う――朝日記者同士、ガチンコ対論の快挙

尾関章

尾関章 科学ジャーナリスト

朝日新聞の記者同士が真っ向から激突した紙面がかつてあった。クジラをめぐって2人の編集委員が「食べる」「食べない」の主張を唱えた1993年4月23日付朝刊の小紙オピニオン面。この記事に、後輩記者の私はまず驚き、しばらくして内心拍手を贈った。
拡大朝日新聞1993年4月23日付朝刊オピニオン面。文字通り、「捕鯨対論」と銘打たれている。

 「こんなふうに社内不統一をさらけ出していいのかな」と首をひねったが、「もしかしたらこれこそが新しいメディアのありようではないか」と思い直したのだ。なにごとにもすっきりした「社論」を掲げなくてはならないという強迫観念を、クジラが潮を吹くように吹き飛ばしてくれたと言ったら大げさだろうか。 ・・・ログインして読む
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筆者

尾関章

尾関章(おぜき・あきら) 科学ジャーナリスト

1977年、朝日新聞社に入り、ヨーロッパ総局員、科学医療部長、論説副主幹などを務めた。2013年に退職、16年3月まで2年間、北海道大学客員教授。関心領域は基礎科学とその周辺。著書に『科学をいまどう語るか――啓蒙から批評へ』(岩波現代全書)、『量子論の宿題は解けるか』(講談社ブルーバックス)、共著に『量子の新時代』(朝日新書)。1週1冊のブログ「本読みby chance」を開設中。

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