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入試の公平性再考――木を見て森を見ず

須藤靖

須藤靖 東京大学教授(宇宙物理学)

入学試験時間中に問題がインターネットの掲示板に流出したことが大きく取りざたされている。気まじめな人々からは、すでに入試の「公平性」を憂慮する意見が噴出しているらしい。落ち着いて考えれば今回の行為自体が全体としての入試の公平性に与える影響などたかが知れている。そんな「瑣末な」問題の議論に膨大な時間を費やすよりも、2011年1月20日付の本欄「入試の公平性ってなんだろう」で問いかけた観点から入試の「意義」を改めて考え直す契機となることのほうを期待したい。
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筆者

須藤靖

須藤靖(すとう・やすし) 東京大学教授(宇宙物理学)

東京大学大学院理学系研究科物理学専攻教授。1958年高知県安芸市生まれ。主な研究分野は観測的宇宙論と太陽系外惑星。著書に、『人生一般二相対論』(東京大学出版会)、『一般相対論入門』(日本評論社)、『この空のかなた』(亜紀書房)、『情けは宇宙のためならず』(毎日新聞社)、『不自然な宇宙』(講談社ブルーバックス)、『宇宙は数式でできている』(朝日新聞出版)などがある。

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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