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原発震災と水俣病の教訓/汚染マップと自主避難と海水希釈

吉田文和

吉田文和 愛知学院大学経済学部教授(環境経済学)

東日本大震災で被災した福島第1原子力発電所による放射能汚染に関連した最近の事態について、これまで日本の公害・環境問題を研究してきたものとして、看過できない問題が三ある。

 第1に、水俣病の大きな教訓は、被害実態の把握の重要性である。今回の福島第1原子力発電所の原発震災問題では、放射能汚染のマップづくりが緊急に必要である。IAEA(国際原子力機関)は、日本側の遅れを指摘し、避難指示地域は狭すぎるといって警告している。すでに北西約40km範囲の飯館村でIAEAの避難基準の2倍を超える放射能汚染が検出されている。放射性物質の飛散は風や雨、地形にも影響され、一様ではない。「今の日本に求められているのは広域かつ詳細な放射性物質の汚染マップを作成することだ」(IAEA調整官)という認識を正面から受け止めるべきである。

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筆者

吉田文和

吉田文和(よしだ・ふみかず) 愛知学院大学経済学部教授(環境経済学)

1950年生まれ、兵庫県出身、京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。北海道大学大学院経済学研究科教授を経て2015年から現職。北大名誉教授。専門は、環境経済学、産業技術論、主著『ハイテク汚染』岩波新書、『環境経済学講義』岩波書店、最近は低炭素経済と再生可能エネルギーの普及に関心を持つ。札幌郊外の野幌原始林の近くに住み、自然観察と散歩を趣味とする。

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