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【科学朝日】福島原発事故と原子力エネルギー(collaborate with 朝日ニュースター、4月14日放送)

朝日ニュースター

高橋:そのグリーンの部分が海水を使っているわけですね。その復水器に入ってくる、それで水蒸気がそこの海の水の温度に触れると冷めて水に戻って、また原子炉圧力容器の中に戻っていくと。

住田:今度の場合、特徴的なことは、いろいろ話題になったからお気づきだと思うんですけれども、普通はきれいな水を特別な系統で守ってやるわけなんですけれども、ポンプが故障したのでうまく水、この給水ポンプのこの系統が動かないと。仕方がないから、もうこの海水のポンプをこっちにつないで、直接海水を注ぎ込むというようなことをやらざるを得ないという。それをやりますと、原子炉は後で使いものにならなく可能性がある。ためらうのですけれども、今度はやむを得ないということで、海水で中を冷やしたという。

高橋:海水をどこから入れたのかというのが最初よくわからなかったのですけれども、これはこの普通の。

住田:この給水ポンプのところへ、何かうまくやってつないだんだろうと私は思いますけれども。詳しくはちょっと存じませんが。

高橋:とにかく冷やさなきゃいけないということで、このポンプが回らない以上、どこかから水を入れなければいけないと、そういうふうになったわけですね。

住田:それで、そういうことでタービンを回してですね、電気をつくり出すと。これが沸騰水炉の特徴なんですね。

高橋:原子力発電所の仕組みはこういうことになっているという。ただ、タービンを回すところは、もう火力発電所と変わらないわけですね。

住田:同じだというふうに考えていただけたら。

高橋:火力発電所では、こっち側は石油を燃やしていると。

住田:はい。

高橋:原子力発電所は核分裂反応の連鎖反応を使って熱を出していると、そこの違いだけであるということなんですね。

住田:はい。

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高橋:今度は先生、燃料集合体が出てきました。これは。

住田:そうですね。すいません、これちょっと言うのを忘れたのですけれど、それじゃあ核燃料はどんな格好になっているかと言うと、これは後でまたお話しするチャンスがあると思うのですけれども、普通はウランの酸化物をペレットというようなここに小さな絵がありますけれども、1センチ、1センチぐらいの。

高橋:随分小さいですね。

住田:小さいものですね。で、それをこういうジルコニウムという特殊な金属の被覆管という名前で呼んでいるのですが、その中に入れて、そうするとこれ全体は4.5メーターという随分長いものですけれども、こういう筒をこういうふうに縦に並べて、これ全体を普通、燃料集合体という名前で呼んでいるのです。こういうブロックにして、これを上から格子のところに入れてやって並べていくというようなことをやるんですね。それから、さっき言った制御棒というのは、この間のすき間のところに十字になって下からこうやって張り付けるというような構造を持ちます。

 大切なことは、原子炉の安全性といいますか、大事に使うためには、このジルコニウムの被覆管が破れたりしますと大変なんですね。ですから、この被覆管が破れたりしないように気をつけなきゃいけない。ということは、つまり温度が上がりますと、あまり温度が高くなるとこれが壊れたりする。それを防ぐために水で冷やしているのですけれども、この被覆管がもし損傷するようなことがあると大変なことなんですが、それが起こってしまっている、現在はですね。そこで一つの大きな、事故としては、これが曲がったりするということはときどきあるんですけどね。

高橋:そうなんですか。それは熱で上がり過ぎるとか。

住田:いろいろなことで。それくらいだと制御棒が上手にうまく入らないとか、そういうことくらいで済むのですけれど、今度の場合は被覆管が地震の震動でというよりは、むしろ温度が上がり過ぎて、これが一部溶けたりしているんじゃないかと。それから、ジルコニウムというのは特殊な合金で非常に固いんですけれども、千何百度ぐらいまでは持つのですが、それが溶けてしまいますと、そのときに水素が発生するということがあって、それが集まってきて上へ抜けて、どこかへ固まって爆発したという、さっき水素爆発とおっしゃっていましたね。あれなんかは、そこから出てきた。水も放射線が当たりますと少し分解して水素を出すということもあるので、どっちのやつかというのは一概には言えないのですけれども、この場合にはジルコニウムが燃えて水素を出したんだというふうに我々は考えている。それが大部分だろうということですね。

高橋:通常の発電の状態だと、この被覆管がきちんとしていれば核分裂で出てくる放射性物質というようなものは、この中に全部閉じ込められているんですね。

住田:閉じ込められているわけですね。

高橋:ただ、中性子はここから外に出てくるわけですよね。

住田:ええ。中性子はもう遠くまで飛びますからね。もちろん速度を落としてやった中性子は、この燃料の中にとどまるのですけれども、それ以外にもぼんぼん出ていますから。

高橋:出てくるものは中性子と、あと何か出てくるんですか。

住田:ガンマー線が。

高橋:ガンマー線が出てくる。

住田:ガンマー線も透過力が非常に大きいですから、中性子とガンマー線の両方が原子炉の外へぼんぼん、ぼんぼん出てきているという。ただし、実はこの中で一番嫌なものは、このジルコニウムの中に封じ込めてあるペレットと言っているこれですね。これは、ちょっと見ますともう何の変哲もない黒い筒状の固まりなんですけれども、ウランの酸化物なんですが、実際は原子炉の中に入れて使いますと、そこへ俗に言う死の灰というのが溜まってくるわけですね。核分裂をどんどんしますから、それがペレットの中がどんどんそれに変わっていくという表現を使ったほうがいいと思うのですが、溜まってきます。ですから、何とかしてとにかくこの被覆管を破られないようにするのが1つ考えられる。でも、それはときによっては何か普通の運転をしていても、これが少し傷んだり何かすると漏れてくることがあるわけですよね。今度は、さっきの図面に戻るんですけれども、そういうものを全体にした集合体を入れたような大きな、僕らはよく冗談でお釜と言ってますけれども、10センチ強の厚みのある鉄でつくった、いわゆる圧力容器というものがある。これは、沸騰水型炉の場合も加圧水型炉も、いずれにしても普通の大気圧よりも高い圧力で、その中に押し込んであるわけですね。ですから、その圧力容器というのが次の障壁といいますか、これは10センチ以上もありますから放射線を止める効力もありますけれども、本来の役割は封じ込めの役割をしている。

高橋:死の灰は、この中に封じ込める。

住田:だから、死の灰というのは、ここで1つ、この中で封じ込めてやって、この圧力容器で封じ込めてやってと。その外にまだ格納容器があって、それが気密性を保っているんですね。よく五重の壁という言葉を使うので、私はあの言葉は嫌いでして、よくPRなんかに使っている言葉で五重の壁って、五重じゃないでしょう、僕は三重だと思っているんですけれども。

高橋:そうなんですよね。何が五つなのかって、よくわからないんですよ、私どもも。

住田:ペレットのところは、もうガス状の核分裂生成物といいますか、死の灰は、割合気楽に出てくるんですよ。だから、あまり壁になっていないんですよね。それからもう一つ、一番外の格納容器の、そのまた外に気密性が保たれているのだけれど、それもそんなに頑丈な建物でもないんですね。

高橋:いわゆる建屋ですね。

住田:建屋ね。建屋は雨天対策よりはマシだけど、だから本当のところ、何が何でもというふうに頑張っているのは、やはり被覆管、それから圧力容器。

高橋:2番目。

住田:それから格納容器。

高橋:3番目。3重の壁。

住田:はい。だと私は、いつもそういう説明はさせていただいているんですけれどもね。

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