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O111食中毒事件と「目に見えないもの」

武村政春

武村政春 東京理科大学准教授(生物教育学・分子生物学)

集団食中毒やウイルス感染症の広がりがニュースなどで報じられると、人々は改めて、身の回りに存在する目に見えない「病原体」の存在を実感するものである。ここ数年は、インフルエンザウイルスの爆発的大流行、宮崎県における口蹄疫ウイルスによる家畜被害など、そうしたことが社会的話題になることが多いように感じる。

 そんな中、生肉に潜んでいた腸管出血性大腸菌と呼ばれる細菌が、幼い子ども2人を含む尊い命を奪ったというニュースは、同じ年頃の子どもを持つ者として胸が潰れるものであった。ウイルスよりもさらに身近な存在である細菌が、私たちヒトに対し、ある者は友好的であるにもかかわらず、ある者は極めて「敵対的」にはたらくという御し難い「隣人」であることを、私たちに思い知らされることともなった。 ・・・ログインして読む
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筆者

武村政春

武村政春(たけむら・まさはる) 東京理科大学准教授(生物教育学・分子生物学)

東京理科大学大学院科学教育研究科准教授。1969年三重県生まれ。1998年名古屋大学大学院医学研究科博士課程修了。博士(医学)。名古屋大、三重大の助手等を経て現職。専門は生物教育学、分子生物学、細胞進化学。著書に「レプリカ~文化と進化の複製博物館」(工作舎)など多数。【2015年10月WEBRONZA退任】

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