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前回は、専門家の情報を社会にどのように伝えるかという観点から、東日本大震災とそれに続く原発事故にまつわる科学コミュニケーションについて考えてみた。そこでは、一応どこかに「信頼のできる専門的知見」なるものが存在していることを前提として論じている。しかし厄介なのは、そのような確実に「信頼のできる専門的知見」が存在するかどうかが不明な場合である。

 どこかにそれがあることがわかっているのであれば、その探し方を考えればよい。問題は、それがあるかどうかもわからないときに、でも意思決定はしなければならないという事態なのである。今回もそのような事態が多数存在しているように思う。そして、そのような場面での専門家の活用方法が課題となる。

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筆者

小林傳司

小林傳司(こばやし・ただし) 小林傳司(大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授)

【退任】大阪大学コミュニケーションデザイン・センター教授。専門は科学哲学、科学技術社会論。市民参加型テクノロジーアセスメントである「コンセンサス会議」を日本に紹介して実施した。2001年、科学技術社会論学会の設立に参加した。09年、地球温暖化をめぐる世界市民会議World Wide Viewsの日本代表を務める。※2012年3月末退任

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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