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あの「緊急建言」はどうなったのか?

湯之上隆

湯之上隆 コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

4月12日の記事で、日本の原子力を強力に推進してきた重鎮16人が、3月30日に、「福島原発事故についての緊急建言」を行ったことを書いた。この緊急建言は、国民への陳謝から始まっている。これまで日本の原子力をリードしてきたエリートたちがプライドも体裁もかなぐり捨て、率直に反省し、国民に深く陳謝しているのである。名を連ねた16人各自が相当な覚悟をもって緊急建言に臨んでいると推察した。それ程事態は深刻であるとも言えるだろう。

 緊急建言の要旨は、「事態をこれ以上悪化させずに、当面の難局を乗り切り、長期的に危機を増大させないためには、わが国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的克つ戦略的に取り組むことが必須である。私たちは、国をあげた福島原発事故に対処する強力な体制を緊急に構築することを強く政府に求めるものである」、ということである。

 筆者も全く同感であり、この緊急建言を切っ掛けに、日本の原子力関係者が一致団結するものと思っていた。また、

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筆者

湯之上隆

湯之上隆(ゆのがみ・たかし) コンサルタント(技術経営)、元半導体技術者

1987年京大修士卒、工学博士。日立などで半導体技術者を16年経験した後、同志社大学で半導体産業の社会科学研究に取り組む。現在は微細加工研究所の所長としてコンサルタント、講演、各種雑誌への寄稿を続ける。著書に『日本半導体敗戦』(光文社)、『電機・半導体大崩壊の教訓』(日本文芸社)、『日本型モノづくりの敗北-零戦・半導体・テレビ-』(文書新書)。趣味はSCUBA Diving(インストラクター)とヨガ。 【2016年8月WEBRONZA退任】

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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