長瀧重信
2011年06月03日
放射線の影響には、「急性」と「晩発」がある。急性は、被曝後数週間以内に現れる影響であり、晩発は、急性影響の後、長期にわたって発生する影響である。原爆被爆者が、今でも晩発影響に悩んでいるのはその典型である。原発事故では、原発内部の人に対しては急性影響が心配されるが、周辺住民に対しては晩発影響について考えることが多い。
晩発影響が、科学的にどこまでわかっているかを議論するとき、まず前提とすべきは、個人をいくら調べても放射線の影響かどうかわからない、ということである。たとえば、目の前の一人の肺がんの患者さんをいくら調べても、その原因が放射線かどうかはわからない。
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