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からっぽの森に中身を――里山復興論

山極寿一

山極寿一 京都大学総長、ゴリラ研究者

 奥山と里山に特徴づけられる日本の豊かな自然は、神々の座とされる脊梁(せきりょう)山脈の存在と大農場や牧場を発達させなかった日本の独特な農法によって支えられてきた。それが近年のエネルギー革命や産業構造の急速な変化によって、あっという間に崩れ始めた。その流れはもはや止めることはできず、日本の生物多様性は今後も加速度的に減少していくと思われた。しかし、東日本大震災によって新たな可能性が生れた。

 今回、コンサベーション・インターナショナルが指定した場所は、東日本大震災で被災した地域にも数多い。これらは、日本でも有数な豊かな自然を誇る地域である。ここで、これまでの日本の文明の方向性を見直す地域づくりができるかもしれない。原発のような破壊的なエネルギー生産に頼らず、自然の力を利用したエネルギーと産業づくりである。 ・・・ログインして読む
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筆者

山極寿一

山極寿一(やまぎわ・じゅいち) 京都大学総長、ゴリラ研究者

京都大学総長。アフリカの各地でゴリラの野外研究に従事し、その行動や生態から人類に特有な社会特徴の由来を探り、霊長類学者の目で社会事件などについても発言してきた。著書に『家族進化論』(東京大学出版会)、『暴力はどこからきたか』(NHKブック ス)、『ゴリラは語る』(講談社)、『野生のゴリラに再会する』(くもん出版)など。

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