尾関章
2011年07月23日
「どうして世界2位ではダメなのか」。スーパーコンピューターの開発に向けて放たれた蓮舫民主党参院議員の一矢は、科学界を大きく揺さぶった。その仕分け日程が終わってまもなく、小紙には、取材記者の感想を載せた特集記事が載った(2009年12月1日付朝刊)。次世代スパコン問題の担当記者はこう書いた。
「『国民に夢を』『米国との競争に勝つ』ぐらいでは、100億円単位の税金投入を認める理屈にはならないことがはっきりしてきた」
この記者は、科学報道部門には属していない。だからこそ、生活者の感覚を正直に反映する一言といえよう。科学記者の私は、物質世界のしくみを知るためには納税者の納得を前提に数千億円の装置をつくってもよいと思うが、その納得を得ようにも納税者目線はそれほど温かくはない。
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