メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

大転換期こそイノベーションの芽がある―24時間都市、賢い電力網、そして廃炉も

北野宏明

北野宏明 ソニーコンピュータサイエンス研究所代表取締役社長

 日本のエネルギー政策をどうするのかの議論が花盛りである。その中心部分は、原発をどうするのか、発電と送配電の分離など電力供給体制をどうするかなどである。また、電力不足が本当なのか、どう対処するのかなどもあらゆる議論が出ている。いずれにせよ、現在が国家的大転換点であるということは広く共有されている。

 直ちに原発を再稼働しないと日本の産業が崩壊するという議論がある一方で、自然エネルギーを軸に急速にエネルギー供給体制を転換するべきという議論がある。もし、菅総理が解散すればエネルギーをどうするかが争点になることは間違いない。しかし、残念なことは、いま見聞きする議論の多くにあまりイノベーションの芽が感じられない点である。

・・・ログインして読む
(残り:約2481文字/本文:約2791文字)