山極寿一
2011年08月01日
これは現代の青少年が、予想のつきにくい自然の動きや、隠れていたり、すばしこく動き回る生物を捕まえることが苦手で、そういった遊びにあまり興味を示さなくなっていることを表しているのだろう。
ゆゆしきことだ。なぜなら、これまで人間は動物の中で最も「同調」を得意とし、その能力を使って自然を理解し利用してきたからである。川の流れや海の波は、頭で考えるとなかなか乗るのが難しい。流れや波に自然に身を任せれば、ゆったりとそのリズムに合わせることができる。逆らってじたばたすれば、大きな水の動きに翻弄されて、したたかに水を飲んで溺れかけることになる。
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