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 鉄道省の「独立王国」のような振舞いは、中国人だけでなく、世界の人々を驚かせ、怒らせ、失望させた。それでも、中国の高速鉄道技術は世界最高水準であると言い張るのはどういうことだろうか。

 中国は、技術系教育を受けた人材が共産党幹部や政府高官の多数を占めるテクノクラート大国であるはずなのに、なぜこのような事態を招いてしまったのだろうか。トウ(登におおざと)小平の「科学技術は第一の生産力である」という言葉がむなしく響く。技術の本質を忘れ、安全を軽視し、儲けに走っているようにも思える。

 この事故が政治体制問題に発展するのを懸念するのは、私だけではあるまい。

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筆者

寺岡伸章

寺岡伸章(てらおか・のぶあき) 寺岡伸章(日本原子力研究開発機構核物質管理科学技術推進部技術主席)

【退任】日本原子力研究開発機構核物質管理科学技術推進部技術主席。熊本県生まれ。東工大修士課程修了。旧科学技術庁・基礎研究推進企画官、タイ国家科学技術開発庁長官顧問、国立極地研究所事業部長などを経たあと、06年6月~10年9月まで理化学研究所中国事務所準備室長(北京)を務めた。中国の科学技術事情に詳しい。小説、エッセーの執筆も。※2012年3月末退任

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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