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高速技術立国が見落とした隠れたノウハウ

寺岡伸章

寺岡伸章 寺岡伸章(日本原子力研究開発機構核物質管理科学技術推進部技術主席)

 鉄道省の「独立王国」のような振舞いは、中国人だけでなく、世界の人々を驚かせ、怒らせ、失望させた。それでも、中国の高速鉄道技術は世界最高水準であると言い張るのはどういうことだろうか。

 中国は、技術系教育を受けた人材が共産党幹部や政府高官の多数を占めるテクノクラート大国であるはずなのに、なぜこのような事態を招いてしまったのだろうか。トウ(登におおざと)小平の「科学技術は第一の生産力である」という言葉がむなしく響く。技術の本質を忘れ、安全を軽視し、儲けに走っているようにも思える。

 この事故が政治体制問題に発展するのを懸念するのは、私だけではあるまい。

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