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 終戦の暑い夏が、またやってくる。

 わたしは小学6年生の担任の先生から「君たち日本人の役割は世界から核兵器をなくすことだ」と説教されたのをよく覚えている。あれから40年が経過したが、事態は一向に改善していないようにみえる。先生にどのように報告すればいいのだろうか。

 原子爆弾を最初に開発し、利用した米国はソ連が原爆の実験に成功するまで原子力技術を独占していた。原子力は核兵器に利用されれば人類の破滅につながる恐れがあるが、原子力発電などの平和利用は産業や国民生活の向上に役に立つ。米国の政策は戦後、核不拡散政策と市場確保の狭間で揺れ動いてきたといえる。

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筆者

寺岡伸章

寺岡伸章(てらおか・のぶあき) 寺岡伸章(日本原子力研究開発機構核物質管理科学技術推進部技術主席)

【退任】日本原子力研究開発機構核物質管理科学技術推進部技術主席。熊本県生まれ。東工大修士課程修了。旧科学技術庁・基礎研究推進企画官、タイ国家科学技術開発庁長官顧問、国立極地研究所事業部長などを経たあと、06年6月~10年9月まで理化学研究所中国事務所準備室長(北京)を務めた。中国の科学技術事情に詳しい。小説、エッセーの執筆も。※2012年3月末退任

※プロフィールは原則として、論座に最後に執筆した当時のものです

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