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生涯線量は、みんなで考えるべきもの

長瀧重信

長瀧重信 長崎大学名誉教授(放射線の健康影響)

 食品安全委員会のワーキンググループが、放射線被曝について「生涯100ミリシ-ベルト」という目安をうちだし、各方面で話題となっている。

 この問題を考えるときに、まず注意したいのは、この「100ミリシーベルト」は厳密な境界値ではない、ということだ。

 「議事概要」を読むと、「低線量の放射線による健康影響については、放射線による健康影響が見いだされているのは、通常の一般生活において受ける放射線量を除いた生涯の累積の実効線量として、おおよそ100ミリシーベルト以上と判断し、100ミリシーベルト未満の健康影響について言及することは現在得られている知見からは困難であるとされた」と書かれている。

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