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続・「放射能の恐怖」再考――危険を伝える

内村直之

内村直之 科学ジャーナリスト、北海道大学客員教授

 感情に詳しい心理学者の故・戸田正直によれば、恐れは「そこでもし、自分が何もしなければ自分の身に危害が及ぶ」「自分のほうから積極的にその危険を制御できる可能性が極めて少ない」という状況判断のもとに生まれる、進化で身についた内的な「危険信号」なのである。恐れを知らない人間は、過去の多くの危険にはまり込んで絶滅してきただろう。だからこそ、恐れを知る人間は多数いるのである。人間の行動のかなりの部分は、論理的推論の結果ではなく、経験あるいは先天的に身についた直感がきっかけとなる。そういう進化で身についた「技術」を簡単に捨てることはできるはずがない。 ・・・ログインして読む
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筆者

内村直之

内村直之(うちむら・なおゆき) 科学ジャーナリスト、北海道大学客員教授

科学ジャーナリスト、北海道大学客員教授。東京大学大学院理学系研究科物理学専攻博士課程満期退学。1981年、朝日新聞入社。福井、浦和支局を経て、科学部、西部本社社会部、科学朝日、朝日パソコン、メディカル朝日などで科学記者、編集者として勤務し、2012年4月からフリーランス。興味は、基礎科学全般、特に進化生物学、人類進化、分子生物学、素粒子物理、物性物理、数学などの最先端と科学研究発展の歴史に興味を持つ。著書に『われら以外の人類』(朝日選書)など。【2015年10月WEBRONZA退任】

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