メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

研究費配分機関の地殻変動-天下り理事長がいなくなった

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

政府の研究資金を配分する日本の3大機関、日本学術振興会(JSPS)、科学技術振興機構(JST)、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のトップが10月1日に一斉に代わった。JSPSは慶応大学塾長を務めた安西祐一郎氏、NEDOは元日立製作所社長の古川一夫氏がそれぞれ公募で選ばれた。JSTは元東大教授の北澤宏一理事長の後を日立製作所の中央研究所長や副社長を務めた中村道治氏が引き継いだ。お気づきだろうか。3大機関理事長から官僚OBがいなくなった。これがどんな変化を日本の研究社会にもたらすのか、現段階では未知数だ。だが、人材の流動性の高まりを目に見える形で示したのは間違いない。

 3機関は、昔でいう外郭団体で、理事長には大物官僚が天下りする時代が長かった。

・・・ログインして読む
(残り:約1596文字/本文:約1927文字)