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「東電経営財務調査委員会報告」を検証する

吉田文和

吉田文和 愛知学院大学経済学部教授(環境経済学)

東電にリストラを迫る厳しい内容であると一般に報道されているのとは裏腹に、この報告書の内容をよく検討すれば、大変多くの問題点を含むものである。とくに、原発事故の賠償は国が肩代わりし、金融機関の貸し手責任を不問にし、東電が資産超過であるという仮想をつくりだし、柏崎刈羽原発の再稼働と料金値上げを強く迫り、東電の法的整理を避け、経営合理化によるリストラが最大の狙いとなっている。

 この報告書が以上のような問題点を持っているのは、本委員会が第三者委員会とはいいながら、もともと8月に成立した「原子力損害賠償支援機構法」のもとで、支援機構が原子力事業者(東電)に資金援助を行う際に、東電の厳正な資産評価と経費の見直しを求めるためにできたもので、この委員会のメンバーと報告書がそのまま支援機構に引き継がれる。したがって、本報告書の問題点は、支援機構法そのものの問題点であるといえる。

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筆者

吉田文和

吉田文和(よしだ・ふみかず) 愛知学院大学経済学部教授(環境経済学)

1950年生まれ、兵庫県出身、京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。北海道大学大学院経済学研究科教授を経て2015年から現職。北大名誉教授。専門は、環境経済学、産業技術論、主著『ハイテク汚染』岩波新書、『環境経済学講義』岩波書店、最近は低炭素経済と再生可能エネルギーの普及に関心を持つ。札幌郊外の野幌原始林の近くに住み、自然観察と散歩を趣味とする。

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