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「脱温暖化を忘れるな」という天の警告

尾関章 科学ジャーナリスト

 温暖化の影響ではないか。この10年ほど、日本国内だけでなく、世界のどこかで気象にかかわる自然災害が起こったとき、私のような科学記者が他部門の同僚から聞かれる問いの一つがこれだった。タイの大洪水などは、そんな疑問をもっとも誘発しやすい出来事だが、ほとんどそんな声は聞かれない。

 今回の大洪水は、タイ国内の低地で田んぼなどが担ってきた遊水池機能が開発によって失われたことの影響も大きいといわれている。この限りでは、工業化に向かう途上国の様相を反映した人災ともいえる。だが、北部や北東部では7月から度重なる豪雨があり、秋口までの降水量は過去50年で最も多かった、と報じられている。気象そのものにも異変があったといえよう。

 「温暖化?」の問いが減ったのは、洪水だけではない。嵐だってそうだ。

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筆者

尾関章

尾関章(おぜき・あきら) 科学ジャーナリスト

1977年、朝日新聞社に入り、ヨーロッパ総局員、科学医療部長、論説副主幹などを務めた。2013年に退職、16年3月まで2年間、北海道大学客員教授。関心領域は基礎科学とその周辺。著書に『科学をいまどう語るか――啓蒙から批評へ』(岩波現代全書)、『量子論の宿題は解けるか』(講談社ブルーバックス)、共著に『量子の新時代』(朝日新書)。週1回の読書ブログ「めぐりあう書物たち」を開設中。

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