メインメニューをとばして、このページの本文エリアへ

精密測定への執念で消える「キログラム原器」 

内村直之 科学ジャーナリスト

 だれしも体の「重さ」が気になる食欲の秋……重さといえば、この10月、フランス・セーブルで開かれた第24回国際度量衡総会(CGPM)で、「重さ(質量)」の基準として1889年以来、120年以上も使われてきた「国際キログラム原器」が近々消えることが決まった。最新の精密測定技術を使って8桁もの数値を追いかける科学者の執念が、キログラム原器よりも正確な質量の基準を生み出すことにどうやら成功したようである。それはドイツ、日本、オーストラリア、スイス、米国、イタリア、EUの計量標準研究機関と国際度量衡局(フランス)という8研究機関の協力の賜物であった。
・・・ログインして読む
(残り:約3199文字/本文:約3473文字)