2011年12月21日
なんの録画もとっていないので、記憶でたどると、今回の収束が政治判断ではなかったかと問われて、科学にもとづく判断であることを強調したのだ。ほとんど、反射的だったことに一層落胆した。
フェアに批評するには、きちんとテキストに沿って語るべきだろう。幸い、小紙19日付朝刊に、宣言から2日後、東京都内で細野さんから聴いたという朝日新聞の単独インタビューが載っている。
ここでは、「収束宣言をしたのはなぜですか」と問われ、「政権としてしっかり検証した上で冷温停止状態といって問題ないと判断した。政治的に決めたわけではない」と答えている。科学を前面に出すことを控えて「政権として判断」と言っているので、微修正した感じはするが、それでもやはり、「政治的決定」は強く否定している。
私は今回、「収束宣言」そのものの適否を論じようとは思わない。これに対する見方は、私がかかわった17日付の小紙社説をご覧いただければわかる通り、どうみても「早すぎる」と思う。だが仮に「収束宣言」を是とする側に立ってみても、「政治判断ではない」「政治的決定ではない」という感覚には違和感を禁じ得ない。
そこからは、今日の政治家が科学をどうとらえているかが、はからずも見てとれる。
有料会員の方はログインページに進み、朝日新聞デジタルのIDとパスワードでログインしてください
一部の記事は有料会員以外の方もログインせずに全文を閲覧できます。
ご利用方法はアーカイブトップでご確認ください
朝日新聞デジタルの言論サイトRe:Ron(リロン)もご覧ください