湯之上隆
2012年01月13日
ところが、稀に、「おおっ!」と驚くような古本に出会うことがある。例えば4年前、ジョエル・パーカー著『パラダイムの魔力―成功を約束する創造的未来の発見法』(日経BP出版センター、1995年)に巡り合った時は、あまりの面白さと含蓄の深さに小躍りした。筆者は、2004年に、クリステンセン著『イノベーションのジレンマ』(翔泳社)を読んで、社会科学者への道を志したが、『パラダイムの魔力』には、それ以上の衝撃を受けた。ユーモアたっぷりの記述も大変魅力的で、この本は、今も筆者の座右の書となっている。
さて昨年は、後藤尚久著『アイデアはいかに生まれるか』(講談社、1992年)が最も印象に残った。本書で後藤は、「いかにして独創的なアイデアを生み出すかを論じている。これには、大いに共感し学ぶべき点が多かった。しかし、筆者の注目した点は、
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