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月面はだれのもの?

辻篤子

アポロ計画最後となったアポロ17号が月面を飛び立ったのは1972年のことだ。その25周年の機会に記者会見した17号のユージン・サーナン船長は「いつまでも、月面に最後の一歩を記した男と呼ばれるのは不名誉なこと」と月面探査の空白を嘆いていた。それからさらに15年、今年はちょうど40年になる。サーナン船長は再び、同じ嘆きの言葉を発するだろうか。

今、その月面に新たな目が注がれている。月面はいったいだれのものか、というものだ。

米航空宇宙局(NASA)は昨年夏、アポロ宇宙船の着陸地点などを「歴史的遺産」として立ち入り禁止にするなどの勧告案をまとめた。人類として月面に最初の一歩を記したアームストロング船長の足跡や、月面探査車を始めとする機器類、月面に立てられた星条旗などは「歴史的・科学的にかけがえのない遺産」であり、それらを守るため、という。

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