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地域経済再生と再生可能エネルギーという視点から、再生可能エネルギー生産事業モデルを整理すると、主に売電事業型と地域分散型に分類される。前者の売電事業型も、1)農林畜産・漁業の副業で、デンマーク・ドイツなどに見られるように、農地・牧場・港湾等立地により、事業者が銀行ローン等活用で投資する、2)地域外から大規模事業者参入で、デンマークモデルでは、立地計画に地元が関与し、株式保有・雇用など地元へ利益還元する、3)市民参加型で、デンマークや日本の北海道グリーン・ファンドなど、組合所有で、出資に応じて売電収入から配当する、などがある。

 これに対して、地域分散型は、地産地消+売電によって、例えば、ドイツのエネルギー自給村フェルドハイム、日本でも少数・小規模の注目すべき事例がある。ベルリンから西南80kmにあるフェルドハイムの事例は、風力発電を農地に43基、設備容量74.1MWを設置し、一部を地元に配電し、残りの大部分を売電している。バイオガス施設で、熱電併給、牛・豚糞尿・飼料用作物投入し、バイオマス・ボイラーも設置し、熱電併給、木質チップで熱のピーク時対応している。地域への利益還元は、低価格電力と暖房自給により、石油節約は16万リットル/年(約10万ユーロ)に達し、雇用60人(風力・バイオガス・バイオマス運転修理、太陽光発電設備工場等)で地元自治体に税収入があり、農家には土地賃貸料が支払われる。バイオガス施設運用による環境負荷低減の効果があり、投資はエネルギー源社、地元の上級自治体、地元農業組合、EU補助金があり、風力発電の売電収入は設備所有者のエネルギー源社に行く。

 北海道をモデルとした、地域経済再生と再生可能エネルギーについて整理すると、地域に電力と熱供給を行うモデルとして、家庭、オフィス、学校、病院、商店、レストラン、温室、水産加工・乳製品工場などを対象にして以下のような、各エネルギーに則したタイプが考えられる。

 風力発電関係は、陸上風力では農業関係、洋上風力では漁業関係、外部事業者による大規模投資、都市と連携として市民風車が考えられ、実際に一部が実現している。北海道グリーン・ファンドの市民風車の取組では、はまかぜちゃん(浜頓別)、10年間順調に運転しています。風車には投資者の名前が刻まれている。 ・・・ログインして読む
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筆者

吉田文和

吉田文和(よしだ・ふみかず) 愛知学院大学経済学部教授(環境経済学)

1950年生まれ、兵庫県出身、京都大学大学院経済学研究科博士課程修了、経済学博士。北海道大学大学院経済学研究科教授を経て2015年から現職。北大名誉教授。専門は、環境経済学、産業技術論、主著『ハイテク汚染』岩波新書、『環境経済学講義』岩波書店、最近は低炭素経済と再生可能エネルギーの普及に関心を持つ。札幌郊外の野幌原始林の近くに住み、自然観察と散歩を趣味とする。

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