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英語の苦手なあなた、騙されてませんか?

佐藤匠徳 生命科学者、ERATO佐藤ライブ予測制御プロジェクト研究総括

グローバル化という言葉がいたるところで叫ばれている。使える英語力を身につけるための英語教材の宣伝を目にしない日はない。英語でのコミュニケーションスキルの必要性が喧伝されているわけだが、24年以上米国で暮らし、09年に帰国した筆者から見ると、英語力が必要な理由はもう一つあると考える。それは、「騙されない」ためである。また「島国的イデオロギー=島国根性」の餌食にならないためでもある。

 インターネットで情報検索する場合、日本語で検索すると、ヒットする情報のほとんどは日本国内の情報に限定される。したがって、日本国内の情報「のみ」が世界全体の情報であると錯覚・誤解してしまいがちである。本や雑誌でも、日本語で書かれたもののみの情報に頼ると間違った世界観に支配されかねない。

 また、日本語で書かれた文章を読むのはほとんど日本人(あるいは日本語のできる外国人)のみであるため、日本人にとって都合のよい情報のみ発信しても、海外からはほとんど批判されない(海外の一般大衆は読んでないのだから、批判のしようがない)。したがって、日本人の多くはそのデマ情報に騙されてしまう。

 筆者のよく知る科学の分野でいくつか例をあげてみよう。

・国内のメディアで

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