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英国は、福島の影響を受けなかった

高橋真理子 ジャーナリスト、元朝日新聞科学コーディネーター

福島第一原発の事故を第三者の立場から調査、分析して記録を残そうと昨年4月に結成された「FUKUSHIMAプロジェクト委員会」が1月15日に早稲田大学で催した国際シンポジウムは、刺激的だった。

 委員長の山口栄一同志社大教授は「2、3号機は早めに海水注入していれば原子炉の暴走を防げた」と東電発表のプラントデータをもとに検証し、事故マニュアルの欠陥を指摘した。ゲストとして招かれた英国議会科学技術局長のデイビッド・コープさんは「日本に対する世界の関心が下がっているので、福島事故が世界に与える影響も大きくない」という見方を示した。

川口盛之助さんが発表した風評被害の分析の一こま

 委員会の代表発起人は元松下電器産業副社長の水野博之氏で、元「日経エレクトロニクス」編集長の西村吉雄・早稲田大学客員教授や弁護士の河合弘之氏、アーサー・D・リトルの川口盛之助アソシエイト・ディレクターら6人が委員となっている。

 ユニークなのは、

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